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教室の相談室
No.05JOURNAL / WEBSITE

教室のホームページの作り方|180万円失敗した私の判断軸

教室・スクール業を運営する先生に、ぜひ知っておいてほしい失敗事例を1つ書きます。5年契約のホームページ制作サービスで、180万円という大切な資金を無駄にした話です。同じ轍を踏まないでほしいので、何が起きて、どこで見落としていたのか、振り返って整理しました。

伊藤啓太
伊藤 啓太
Mutsumi Academy㈲ 代表取締役 / 教室の相談室 運営者

失敗から始める:HP 制作で 180 万円

きっかけは、教室にやってきた訪問営業

教室を引き継いだ直後、HP 制作会社の営業担当者が教室にやってきました。「教室業の集客は HP で決まる」「いまネット集客の仕組みを作っておかないと取り残される」——丁寧で熱意のある説明を受けて、私はその日のうちに契約してしまいました。

月額 3 万円・5 年契約・合計 180 万円。HP の相場感を持っていなかった私は、「教室業に特化」「SEO 込み」「写真撮影付き」というキーワードに惹かれて、自分でも納得しているつもりで判子を押しました。

結果として何が起きたか。

・出来上がった HP は、確かに見栄えはよかった

・でも検索しても上位に出てこなかった

・体験申込フォームはあるけれど、月に 1〜2 件

・教室名や運営者名で検索した時だけ表示される

・細かな修正は「制作会社へ依頼」で、対応が遅い

要は「綺麗だけど、来ない」HP でした。月 3 万円の固定費だけが、毎月引き落とされていく日々が続きました。

振り返って、本当の敗因はどこだったか

1 年半が経って、私は気づきました。この HP、そもそも要らなかった。同じものを、いまの自分なら月千円台で作れる。代替手段は他にいくらでもあった。でも 5 年契約だから、途中解約はできない。残りの月数だけ毎月 3 万円が引き落とされていく——そう気づいた時の悔しさは、いまでも覚えています。

振り返ってみると、本当の敗因は 2 つあったと思っています。

敗因 1:営業を受けたその場で決めてしまった

熱意のある営業を受けると、その場で決めたくなります。「いま決めないと損だ」というプレッシャー、提案された前向きな未来像、相手の時間への申し訳なさ。冷静に考える時間を 1 日でも置けば、別の選択肢が見えたはずでした。

敗因 2:AI 時代の進化スピードを読みきれなかった

5 年契約という長さの怖さは、契約直後はピンと来ません。けれど契約してからの 1〜2 年で、AI によるノーコードの HP 制作ツールが一気に実用化しました。同じ HP を、いまの自分なら数時間で作れる環境が揃っています。5 年先の景色は誰にも読めない。だからこそ、長期契約は怖い。

教室・スクール業を運営する方への 2 つの教訓

この失敗から、同業の運営者に向けて、2 つの教訓を持つようになりました。

教訓 1:営業を受けたその日には、契約しない

どんなに熱意のある営業でも、最低 1 日は持ち帰って考える。家族・友人・同業の運営者に相談する。冷静になった翌朝にも「やっぱりやりたい」と思えたら契約する。この一手間だけで、失敗の半分は避けられます。

教訓 2:動きの早い分野ほど、長期契約は避ける

ツールも技術も、1〜2 年で景色がガラッと変わる時代です。5 年契約は、その変化に身動きが取れなくなるリスクと表裏一体です。月額・年額の中途解約可能な形に整え、長くても 1〜2 年契約までを目安にすると、合わなかった時の逃げ場が確保できます。

ここまで読んで「自分も同じことをしているかも」と感じた方は、これから書く判断軸を読む前に、いまの契約状況を一度棚卸ししてみてください。

なぜ教室業に HP が必要か(実数で見る)

そう書くと「じゃあ HP はいらないのでは?」と思うかもしれません。違います。教室業にこそ、HP は必要です。

私の教室では現在、新規入会の約 3 割が HP 経由です。教室の前の看板(約 15%)と、Google マップ(約 15%)と並んで、最も太い導線の 1 つになっています。

HP 経由 約 3 割/教室前の看板 約 15 %/Google マップ 約 15 %(運営者の教室での実測値)

ただし「HP があること」と「HP が効くこと」は別の話です。

教室を探す保護者や大人は、たいていこの順番で動いています。

  1. 検索する(「○○市 ピアノ教室」「英会話 子ども」など)
  2. Google マップで近くの候補を見る
  3. 候補の HP を開く
  4. 教室の雰囲気・レッスン料・体験申込の方法を確認する
  5. 良さそうなら申し込む

このうち、3〜4 の段階で「他より良いと判断してもらう」のが HP の役割です。SNS やチラシで知ってもらうのは入口、HP で決めてもらうのが詰め。入口だけ作って詰めの準備をしないと、せっかく来てくれた人を取りこぼします。逆に詰めだけ立派にしても、入口(検索・SNS)がなければそもそも見られません。この記事では「詰めの部分の HP」をどう作るか、自作と外注で見ていきます。

自作 vs 外注 — 4 つの判断軸

180 万円の失敗以来、「自作 vs 外注」をシンプルな 4 つの軸で判断するようになりました。

軸 1:修正を月に何回するか

教室の HP は、開講時間・料金・キャンペーン・空き枠など、月単位で更新したい情報がたくさんあります。月 3 回以上修正したいなら自作向き。月 1 回以下なら外注も視野に。

軸 2:文章を自分で書けるか

教室の雰囲気、講師の人柄、生徒さんの声——これらは運営者本人が書く方が伝わります。コピーライターが書く綺麗な文章より、たどたどしくても自分の言葉のほうが信頼されます。文章を自分で書く前提なら、デザインだけ整える自作で十分です。

軸 3:月の HP 予算

自作なら月千円〜2 千円(ドメイン代+サーバー代+ツール代)。外注なら月 3 千円〜3 万円(制作会社により幅広い)。月 3 千円以下にしたいなら自作一択です。

軸 4:法人クライアント・銀行借入の有無

法人向けの研修事業や銀行融資を受ける場合、HP は「会社の顔」として高い見栄えが求められることがあります。この場合は外注の方が安心。個人教室の集客だけなら自作で十分です。

私はこの 4 軸を当てはめた結果、「月数回更新したい・文章は自分で書きたい・予算は最小限・個人教室の集客」だったので、自作に切り替えました。

自作するなら:どのツールを使うか

自作するなら、いま使える主なツールは 4 つです。私自身が触ったことのあるものだけに絞っています。

ペライチ

教室業の HP で最も多く使われているノーコードのページ作成サービスです。テンプレートが豊富で、教室・スクール業向けのテンプレートも複数あります。月額数千円から、無料プランもあります。問い合わせフォームも標準装備で、HTML を書かなくても完成度の高い HP が作れます。

ペライチを見る

WordPress

カスタマイズの自由度が高く、世界中で使われている CMS です。デザインテンプレート(テーマ)も無料・有料で大量にあります。慣れれば月千円程度で運用可能。ただし学習コストはやや高く、技術的なトラブル対応も自分でやる必要があります。

Wix / STUDIO

直感的な操作で HP が作れるサービス。ドラッグ&ドロップでデザインを組めるので、デザインを自分で詰めたい方には合います。

Notion

「とりあえず HP の形にする」だけなら Notion で十分です。教室情報・料金・体験申込フォームをページにまとめ、独自ドメインを当てれば、月数百円で運用できます。デザインの自由度は低めです。

私は当初 Notion で「仮の HP」を作り、その後ペライチに移行しました。Notion は「まず情報を整理する場」として、ペライチは「集客の入口」として、それぞれ役割を分けて使っています。

外注するなら:5 つのチェックポイント

外注を選ぶ場合、180 万円の失敗から学んだチェックポイントは 5 つです。

1. 教室・スクール業の制作実績を必ず確認する

「飲食店」「美容室」「不動産」の実績しかない制作会社は、教室業の集客導線を知らない可能性が高いです。教室・スクール業の事例を 3 件以上見せてもらいましょう。

2. 月額契約は 1〜2 年で見直しできるようにする

5 年・3 年の長期契約は、合わなかった時に逃げ場がありません。1〜2 年契約にできるか必ず確認します(私はここを見落として 5 年契約を結びました)。

3. 写真撮影・コピーライティングが含まれるか

制作費に「写真撮影」「文章作成」が含まれるかで、トータルコストが大きく変わります。別料金になる場合、合計いくらかを必ず確認します。

4. 月次の修正回数の制限

「修正は月 1 回まで」のような制限は、教室業には合いません。空き枠・キャンペーンが頻繁に変わるためです。修正回数無制限、または月 5 回以上の枠を確保します。

5. 解約時のドメイン・データの扱い

解約時にドメインを返してもらえるか、コンテンツデータをエクスポートできるか。契約時に確認しないと、解約と同時に HP 全体を失います。私はここを確認していませんでした。

失敗を避ける 3 つの落とし穴

私の失敗以外にも、教室業の HP でよく見る失敗パターンが 3 つあります。自作・外注のどちらでも当てはまります。

落とし穴 1:豪華すぎて更新できない

凝ったデザインや複雑な構造の HP は、運営者が自分で更新できなくなります。月 1 回更新するつもりが、半年に 1 回も触れない。情報が古いまま放置された HP は、検索エンジンからも評価されません。運営者が自分で更新できる範囲のシンプルさが大事です。

落とし穴 2:申込ボタンが見つからない

意外と多いです。トップページに体験申込ボタンがない、スクロールしないと出てこない、文字が小さい——。HP に来た方は「申込みたいけど、どこをタップすればいいか分からない」と離脱します。ファーストビュー(最初の画面)に、わかりやすい申込ボタンを置くだけで予約率は変わります。

落とし穴 3:スマホで読みづらい

教室を探す保護者の 8〜9 割は、スマホで検索します。PC で作った HP が「スマホでは文字が小さくて読めない」「ボタンが押せない」状態のままだと、せっかくの流入を全部取りこぼします。作る側の PC で確認するだけでなく、必ず自分のスマホでチェックしましょう。

公開後にやるべき 3 つのこと

HP は公開して終わりではありません。公開後にやるべきことは 3 つです。

1. Google ビジネスプロフィールに HP URL を登録

教室を探す保護者の多くは、Google マップから候補を見つけます。マップに自分の教室が表示された時、HP へのリンクをタップしてもらえる導線が大事です。Google ビジネスプロフィールに登録し、HP の URL を必ず入力しておきましょう。

2. Google Search Console に登録

検索で表示された回数・クリック数を計測できる無料ツールです。どんなキーワードで自分の HP にたどり着いた人がいるか、月次で確認できます。「思っていたのと違う検索ワードで来てる」と気づくと、HP の文言改善のヒントになります。

3. 月 1 回の更新習慣を作る

体験会のお知らせ、生徒さんのコンクール結果、季節の挨拶など、月 1 回でも更新がある HP は、Google からも「動いている教室」と認識されやすくなります。カレンダーに「毎月 HP 更新日」を入れておくのが地味に効きます。

まとめ:判断軸を当ててみる

180 万円の HP 失敗を経て、教室業の HP について私がたどり着いた結論は 1 つです。

教室業の HP に大事なのは「綺麗さ」より「自分で更新できる手触り」と「申込までの動線の単純さ」。

自作と外注、どちらが正解という話ではありません。あなたの教室の状況——修正頻度・文章のスタンス・予算・対外的な見栄えの必要性——から、4 つの軸で判断するのが現実的です。

私は「自作」を選びました。月千円台の運用で、新規入会の約 3 割を HP から取れるようになりました。あなたの教室で 4 つの軸を当ててみたら、どちらが合うでしょうか。

迷ったら、まずは 1 ヶ月だけ Notion か無料プランのペライチで「仮の HP」を作ってみるのがおすすめです。仮で作ってみると、本当に必要なのは何か、自分でどこまでやれるかが見えてきます。

HP の判断で迷ったり、自分の教室の状況に当てはめて考えたい時は、30 分の無料相談でも整理できます。

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HP の作り方を、
自分の教室に当てはめて

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